復帰前にデザイン事務所として創業。当初は車両ステッカーなどのデザインを行い、その後企業ロゴマークのデザインや、住友3M(株)特約店として建築事業も手がける。1995年には「ISLAND BROTHERS(アイランドブラザーズ)」事業を立ち上げ、デザインカを生かして衣料品業界へ本格的に参入。現在は、宜野湾市大山の本店と那覇空港店の2店舗を直営で運営している。
| 代表者名 | 代表取締役 徳永修一 |
|---|---|
| 設立年 | 1965年 |
| 所在地 | 沖縄県宜野湾市大山2-1-6 |
| TEL | 098-943-5170 |
| FAX | 098-943-5171 |
| WEB | https://island-bros.com/ |
| 業種 | 企画・デザイン・建築工事・物販 |
創業60年を超える株式会社アドプロは、コロナ禍による売上減少を契機にEC( 電子商取引) 強化とブランド再構築へと踏み出した。表面的な販促ではなく、ターゲット設定や顧客理解、ストーリー整理など基礎設計から見直しを実施。30年続く「ISLAND BROTHERS」の価値を再確認し、次の時代へ向けた“第二創業”の挑戦が始まっている。
宜野湾市大山にISLAND BROTHERSの本店を構える
モデルを起用しターゲットの年齢や雰囲気が伝わるようにした
同社はリアル店舗型ビジネスを主軸としてオリジナルTシャツやアロハシャツなどを販売してきた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で観光客が激減し、店舗の売上は一時約50%減少。地代や原材料費の高騰などが追い打ちし、経営環境が悪化した。こうした状況で、同社が強く認識したのがECサイト強化の必要性であった。それを念頭に沖縄県産業振興公社の担当者とともに再整理したところ、次のような課題が浮き彫りになった。
誰に売りたいのか、誰に届いているのかが明確でなく、lnstagram運用も「なぜこの媒体なのか」を説明できない。
顧客がどのような経緯でブランドと出会い、どのような価値を感じているのかが可視化されていない。
EC運営、データ分析、レビュー活用、コンテンツ設計などの専門知識を有する人材が社内にいなかった。
商品に込められた思想や背景が十分に伝えられておらず、単なる商品説明にとどまっていた。
本支援では、表面的な販促強化ではなく、基礎設計の見直しから着手した。
(1)ペルソナ設定を行い、ターゲット像を明確化。SNS運用企画書を作成し、情報発信の軸を整理した。
(2)既存顧客へのアンケートを行い、ブランドに対する評価や期待を収集。30年の歴史を顧客視点で再構築。
(3)認知から購入、そしてSNSでのシェアに至るまでの導線を整理。カスタマージャーニーを可視化して課題箇所を特定し、重点改善領域を明確にした。
(4)ターゲット層に響くモデルを起用し、年齢や雰囲気が伝わるビジュアルヘ変更。閲覧数向上を図った。
(5)Tシャツに込められた思想やメッセージInstagramでスタートした。
(6)Google口コミ誘導をLINEや店頭で実施。新規レビューを獲得し、顧客理解につながった。
(7)販売担当の若手社員が主体的に企画・改善を実行。支援はティーチング型で行われ、内製化を重視した。
アンケートで顧客の声を集めた
これまでの30年の蓄積を踏まえ、新たな30年へ向けた経営軸を共有した。
閲覧数の増加とともに、前年より動きの鈍かった冬季商品の販売が改善。全体として右肩上がりの傾向が確認されている。
従来はオンライン購入の心理的ハードルが高かった商品も、モデルを使った画像やストーリー掲載により注文増加の兆しが見られる。
アンケートにより「メッセージ性を続けてほしい」「復刻版を望む」「アメリカンテイストのデザインが好き」といった声が可視化され、ブランドの核が顧客に確実に伝わっていたことが確認された。
50~60代に支持されている現状を把握し、20~30代への浸透強化が、明確な課題として共有された。
内部変化も大きな成果。若手社員が自ら考え、改善案を出し、実行する体制が整い始めた。
メッセージ性の高い商品展開を続ける
今回の支援で、専門的な知識が導入されたことが良かったと思います。外部専門家からの体系的指導により、単なる売上向上策ではなく、思考法そのものを学ぶ機会となったと感じています。特にありがたかったのが、アンケート調査によって顧客の声が「実証データ」として得られた点です。感覚的に理解していたブランド価値が数値と文章で裏付けられ、経営判断の軸が強化されたと思っています。
当社は現在「第二創業期」の入口に立っていると認識しており、本支援を次の世代へ向けた新たな挑戦の始まりと位置づけています。この支援制度をもっと多くの企業が活用すべきと感じました。
アドプロ
添盛 和也 専務取締役
Web支援は短期で劇的成果が出るものではないので、まずは企業が自走できる力を育てることを重視し、できるだけ多岐にわたる知識や手法を提示しました。最終的に重要なのは企業側が継続して改善を重ねることであり、それによって次年度以降売上向上にもつながっていくと確信しています。本支援は単なるEC強化にとどまらず、30年の歴史を持つブランドの原点を再確認し、次世代へ継承するプロセスでもありました。
今後はデータ分析と改善を継続しながら、オンラインとリアルの融合を深化させ、ブランドの「第二章」を切り開いていくことを期待します。
中小企業支援センター
サブマネージャー
中島 布美子