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インドネシア(6件)

沖縄県産業振興公社海外事務所に勤務する所長・駐在員からのレポートや貿易に関すると取引準備・契約・輸出入方法をご紹介。



《貿易の基礎知識》 | 取引準備 | 契約 | 輸出入手続き

  • 2017.03.31 【インドネシア駐在員】島の技術、インドネシアで注目

    沖縄の技術、製造業のインドネシアの挑戦について前回の原稿で触れたが、先日、JICA(国際協力機構)のインドネシア事務所から、沖縄の技術がODA(政府開発援助)プロジェクトとして動き始めているという情報を聞いた。3月21日、彼らのジャカルタ訪問にあわせJICA事務所で話を聞くことが出来た。

    現在、インドネシアのバリ島にてODAプロジェクトに参加しているのは、沖縄県うるま市にあるトマス技術研究所。今回、バリ島デンパサールの公立総合病院「ワングサ」に小型焼却炉「チリメーサー」を設置、2016年12月より稼動している。本プロジェクトは、JICAの2016年度中小企業海外展開支援・普及実証事業。経済発展により増え続けるインドネシアのごみの減容化、無害化への対応策として、低コストで導入しやすい技術として期待を集めている。焼却に黒鉛を出し地域住民から不満の上がっていた同病院で、感染症リスクの高い医療廃棄物を中心に、現在焼却処分の実証実験をおこなっている。

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    提供:トマス技術研究所

    チリメーサーは、トマス技研独自の自動燃焼制御システムで、黒鉛を出さずダイオキシンの排出を抑えた焼却炉。総重量2.4トンで、幅1メートル、奥行き1.8メートル、高さ3.6メートルとコンパクト。重機の少ない離島や僻地でも、調達しやすいユニック車で組み立て設置できるように設計されている。小型で燃料や電力の消費も少なく運転コストを押さえられるメリットもあるという。現在、沖縄の自治体を中心に、長崎、佐賀、鹿児島など70の島嶼地域で導入されている。

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    提供:トマス技術研究所


    近年インドネシアでは、経済成長によって増え続けるごみの処分が、各地で大きな問題となっている。特に、一般ごみや産業廃棄物に加え、感染症のリスクの高い医療廃棄物までが分別されずに廃棄、深刻な事態を招いている。今回、医療廃棄物などの不法投棄や無分別投棄が深刻な問題と受け止められ、総合病院が実証実験先として選ばれた。

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    福富社長(左端)川崎所長(中央)石黒コンサルタント(JICAインドネシア会議室にて)

    トマス技術研究所の福富健仁代表取締役は、「運転を開始して約3ヶ月がたつ。現在は、焼却炉の能力を最大限に引き出すために、電力、水、燃料の供給などについて、現地の地域特性にあった調整、改良をおこなっている。水の硬度の違いや燃料である灯油の質の違いに驚くこともあるが、技術的に充分対応できる範囲で実用化に向け前に進んでいる」と語る。その上で、「操作マニュアル作りやメンテナンスのための人材教育・育成など、まだまだやらないといけないことは多い」と説明した。奄美出身の福富社長は、「故郷が島国だからこそ生まれた技術。沖縄生まれのこの技術が、海洋国家のインドネシアで役に立ち、貢献できることはとてもうれしいこと」と語った。
    今回、同行したJICA沖縄の川崎充良所長は、「先ずは、インドネシアの期待に答えるかたちで、期間内にプロジェクトを完遂させて欲しい。そして、その成功の技術とシステムを、世界で必要とする国々に役立てて欲しい」と語った。
    (担当:太田)

  • 2017.01.10 【インドネシア駐在員】マニュファクチャリング・インドネシア 2016

    東南アジア最大級の工作機械、産業機械、工具の国際見本市「マニュファクチャリング・インドネシア 2016」(同時開催:マシン・ツール・インドネシア、ツールス&ハードウエア・インドネシア、インダストリアル・オートメーション&ロジスティクス・インドネシア)が、11月30日より12月3日までの日程でジャカルタにて開催された。インドネシアの今後の成長と拡大に期待し、日本を含む31の国と地域から2千を超える企業が出展した。

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    <開会を告げる鐘を鳴らすインドネシア工業省工業研究開発庁のハリス・ムナンダール長官>

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    <会場を視察して、説明を聞く長官>

    会場には、日本貿易振興機構(ジェトロ)が、日本各地の中小企業の海外展開・進出を支援する目的でジャパン・パビリオンを設置している。出展企業は毎年増え、6回目の今年は46社となった。「初めて海外に投資をする企業」「初めて海外に輸出をする企業」も15社あり、インドネシア市場のポテンシャルに対する日系企業の期待の高さがうかがわれた。

    ジャパン・パビリオンには、愛知県、長野県、埼玉県、川崎市の4つの自治体や外郭団体が、ジェトロと協力して地元企業をとりまとめて出展していた。ジャパン・パビリオンの利用は、資金や人材に限りのある中小企業にとって、不慣れな海外展開の負担を減らし、自社製品やサービスの売り込みに集中できる利点が有る。同イベントは、高度な技術を持つ日本の製造業への期待が高く、出展した中小企業にとっては、自社の技術を効果的にアピールする場になると考えられている。過去に出展した企業で、本出展がきっかけとなり代理店を見つけたり、インドネシアでのパートナーを見つけ合弁会社の立ち上げに至った企業もあるそうだ。

    長野県から初出展のマイクロストーン社は、加速度センサー、ジャイロセンサーに、解析を組み合わせ、予防保全・予兆管理を行うシステムを紹介した。同社の白鳥社長は「パートナー希望者が複数あらわれ、展開はスピードアップしそうだ」と期待を見せていた。

    東京都中小企業振興公社、新潟県三条市、相模原市産業振興財団、大阪国際経済振興センター、名古屋市は、ジャパン・パビリオンではなく、直接、地域の中小企業を支援し出展ブースを開設した。

    ジェトロ・ジャカルタ事務所の吉田雄シニア・ダイレクターは、「インドネシア市場の有望性には誰も異論は唱えない。経済も回復の兆しが見え始めた。しかし、インドネシアへの進出、投資は、最低投資額などの問題もあり中小企業にとってハードルの高いものになっている」と指摘。地元企業と直接会って意見交換をしたり、提携先や代理店候補企業とのネットワークを確立するなど、投資を決めるまでに慎重な準備プロセスを踏む重要性に触れている。「投資ブームから一段落した今だからこそ、企業が周りに流されることなく、市場とじっくり向き合い考えられる好機になる」と語っている。
     
    10月末に沖縄に帰省した折に、「第40回 沖縄の産業祭り」の会場を訪れることができた。いろいろと興味深く見てまわる中で、物産品などの展示に加え、独自の技術を紹介する企業も出展していた。沖縄県の得意とする海洋関係を筆頭に、その他の技術や製品など、沖縄の「モノづくり」企業の挑戦も期待したい。
    (担当:太田)

  • 2016.11.08 【インドネシア駐在員】トラベルフェア開催

    インドネシアの日本旅行シーズンは、6月と12月のスクール・ホリデー期間に加え、レバラン(今年は7月初旬、毎年2週間程度づつ前倒し)、そして桜のシーズンがある。

    毎年シーズン前になると各地のショッピング・モールや展示場で、トラベルフェアが開催される。今年も、8月の末ごろから、航空会社、旅行会社、そして、日本政府観光局(JNTO)主催のトラベルフェアが各地で開催された。
    それぞれ安い航空券が目玉として出され、各トラベルフェアは徹夜組や朝早くから並ぶ人々でにぎわう。今回も、4百万ルピア(約32,000円)を切る日本向け直航便の格安航空券が注目を集めた。景気停滞の影響もあり、インドネシア人の海外旅行者数が横ばいの中、日本向け旅行商品の販売は好調で、JNTOのトラベルフェアでは、航空券販売は20%の増加となった。


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    今回のトラベルフェアでは、インドネシアでの海外個人旅行への移行が実感された。
    沖縄観光コンベンションビューローが、JNTOのトラベルフェアに出展したので、そのブースに立ったが、旅行の移動手段や観光コースなど具体的な質問内容が大幅に増えており、航空券は既に購入している(目的地は既に決まっている)層が増えていることが感じられた。老舗の旅行会社でも、格安航空券は売れているが、団体旅行は減っていると危機感をあらわにしていた。日本からの他ブースの出展者も同じような認識を持っていた。

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    地元大手旅行会社幹部は、「インドネシアは経済成長に胡坐をかき、商品造成をおろそかにして来た。商品の造成スタッフなどの教育に投資をしなくなった。今となっては、どこを見回しても同じような内容の商品しかなく、FIT移行が加速するのは当然のこと」と語り、収益率のいい団体旅行を増やすため、自社の生き残りをかけた新しいデスティネーションの開拓や、魅力的な商品の造成に注力していかねばと述べていた。
    個人的な意見になってしまうが、沖縄は、このタイミングを誘客の勝負どころと認識して、上手くアプローチしていく方法を探していくべきと考える。
    (担当:太田)

  • 2016.09.02 【インドネシア駐在員】インドネシア国際オートショー

    8月11日〜21日の日程で、インドネシア国際オートショーが開催された。インドネシアで最も大きな自動車ショーで、期間中、今年も約46万人が訪れた。日本のモーターショーのように、その年のテーマにあわせたコンセプトカーなどが展示された他、各ブースでコンサートやゲームがあり、家族で見て回っても楽しいイベントである。
    また、インドネシアでのオートショーは、即売会の意味合いも強くもつ。各メーカーは、コンセプトカーや高価な最新モデルに加え、販売台数をてこ入れする為、売れ筋グレードの新型を投入する。例えば、メルセデス・ベンツで言えば、マイバッハなどのプレミアム・クラスに加えて、売れ筋のCクラスのモデルが新しく投入される。そして、どのメーカーも期間中数百台の販売目標が設定され、セールスマンがブースを走り回る。

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    大衆車を得意とする日系メーカーも、こぞってこのタイミングで、新車の販売を開始する。今年は、トヨタ・ダイハツがLCGC(低価格グリーンカー)の3列7人乗りのMPV(多目的車)を、スズキ・三菱自動車・ダットサンは、クロスオーバータイプを発表した。各メーカー、初めて自動車を買う層や、新しく買い換えたい層、新しいもの好きの富裕層など、それぞれの需要を調査した上で綿密な戦略をたて、このイベントに臨んでいる。経済低調の昨今、少しでも販売台数を伸ばしたい各メーカーにとっては、このオートショーは失敗できない重要なビジネスの場となっている。
    今年1〜7月の新車販売統計によれば、昨年同期比、2.3%プラスに動いている。
    商用車の販売低迷が激しいが、乗用車は上向いているのではと期待されている。

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    新車販売台数が順調に伸びている一方で、世界で最も渋滞が深刻な都市と言われているジャカルタの渋滞は、さらに激しさを増している。自動車の占有面積が道路のそれを上回り、首都の交通が麻痺するグリッドロック状態に陥るのは時間の問題、秒読み段階とも言われる。

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    都心への進入制限制や地下鉄・高架橋工事など、あらゆる対策が打たれてはいるが、現時点で根本的な解決策は見えていない。経済が停滞していると言われるものの、新しく販売されている自動車の数は、年間100万台単位で増えている。
    経済の発展を望む一方、その発展により加速するかもしれない首都交通麻痺の危機という問題、インドネシアは、今その矛盾の真っ只中にあるのかもしれない。
    (担当:太田)

  • 2016.06.27 【インドネシア駐在員】インドネシアからの古代船

     6月12日、インドネシアのマジャパヒット王国時代の船を復元した「スピリット・オブ・マジャパヒット号」が、那覇港に到着した。悪天候の中での入港であったが、急遽沖縄入りしたインドネシア海事調整省のサフリ・ブルハヌディン副大臣、在日インドネシア大使館職員、沖縄インドネシア友好協会の関係者によって歓迎を受けた。

    <ジャカルタで出航を待つマジャパヒット号>
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    <那覇港に到着した本船>
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     マジャパヒット王国は、13世紀から15世紀ごろまで、ジャワ島の中東部を中心に栄えたヒンズー王国である。当地の歴史によれば、琉球王国との交易があり使節団を9回送ったとされている。
     本船は、ユネスコの世界遺産に登録されているボロブドール遺跡のレリーフを参考に造られた木造帆船で、全長20メートル、幅4メートルの小さな船である。2010年にも挑戦しているが、マニラ沖で台風に遭い断念した。今航海は、天候に恵まれ台湾まで順調であった。しかし、その後、台湾北部沿岸で、天候が大きく崩れ、竜巻や豪雨、さらに、10メートルを超える大波に何度も襲われるなど、非常に厳しい航海となったことが報告された。
     ジョコ・ウィドド大統領が提唱した海洋国家構想の象徴と本プロジェクトを位置付け、支援してきた海事調整省は、5月2日に、リザル・ラムリ大臣出席のもと出航前の式典を行った。そこには、谷崎泰明駐インドネシア大使とともに、交易のあった琉球国の代理として、当地の沖縄県人会である「ジャカルタ沖縄会」の会員が招待された。

    <出航前式典 (リザル大臣、谷崎大使、沖縄県人会、船員など)>
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     大臣は、「インドネシアは、海洋国家だということを思い出して欲しい。インドネシア人は、マジャパヒットの時代、この船に乗って世界に出て行った。インドネシア人は、逞しく勇気があり、その影響力は世界に渡っていた」と力強く語った。

     今航海は、海洋国家インドネシアによるマジャパヒット時代の古代船航海の実証という意味合いとともに、高速鉄道問題など、関係の希薄化が心配される最近の日イ間への明るい話題として、2国間の交流を深めるものになることを願う。
     6月15日、梅雨が明けた沖縄の快晴の空の下、スピリット・オブ・マジャパヒット号は那覇港を出発し、次の目的地 鹿児島、大阪、そして東京を目指す。梅雨前線の横たわる中のこれからの航海も、厳しいものが予想される。那覇港に停泊する本船を見つけ、陣中見舞いに行った小学校時代の同級生に、船員たちは、これからの航海への自信を覗かせ、逞しく笑顔を見せたという。
     海洋国家・琉球の末裔である我々ウチナーンチュも、アジアという大海原に果敢にチャレンジすることの必要性を改めて実感させられた。(担当:太田)

  • 2016.05.23 【インドネシア駐在員】オール・インドネシアの経済回復

     インドネシアの2015年の自動車販売台数は、101万台と前年比16.1%の大幅減となった。経済の停滞が言われているとはいえ、インドネシアの経済を牽引してきた自動車産業、その販売台数の大幅減少は、各所に大きな衝撃を与えた。
     毎年開催されていた国際モーターショーイベントが、昨年から、2つ開催されることになった。インドネシア自動車工業会(GAIKINDO)とイベントプロモーターの方向性の違いが原因といわれ、同じ時期に、それぞれ別の場所で開催するという異例の事態となった。自動車工業会主催のイベントは、新たに「国際オートショー」と名づけられ、ほとんどの自動車メーカーが出展し盛り上がりを見せたが、プロモーター側のイベントは、多少さびしいものとなった。両方に出展したメルセデスベンツ・インドネシア社社長のクラウス・ウイドナー社長兼CEO(当時)は、「それぞれ別の日程でやれば、出展者にとっては、売るチャンスが増え、来場者にとっては、2つのイベントを楽しめる。もったいない」と語っていった。
     年度末の3月、自動車工業会の役員改選が行われ19年までの新体制が発表された。新会長のヨハネス・ナルゴン氏は、「どの国にも、どの自動車メーカーにも、そして、どの団体にも偏らない。インドネシアの自動車業界の発展を目指し、政府にも働きかけていきたい」と語り、新体制の意気込みをアピールした。
     4月に入り、プロモーター側の国際モーターショーが開催された。2つの日程は重ならず、昨年出展しなかった自動工業会役員の大手メーカーも参加、イベントは盛り上がりを見せた。
     新体制の改革の賜物なのか、現状を見据え「売れる機会があれば、それを逃す術はない」という危機感の現れなのか。世界経済の混迷が言われる中、インドネシア経済にとっても、今年は正念場となる。新年度が始まるにあたり、皆で協力してウィンウインの経済回復を勝ち取る年となることを願う。

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